今回の記事ではデイサービスの数値の見方、考え方について触れていきます。
これは10年間介護現場で働き、国内でも最大規模のデイサービスを運営していく上で重視してきた観点になりますので、主観になります!
デイサービスでも地域密着型の規模や認知症対応型など当てはまらないケースもあると思いますのでそこはご了承ください。
- 稼働率を上げていきたい
- 新規開設で集客したい
LINEではデイサービス運営での情報共有全般(資料などのデータ類も含む)、事業所の実利に繋がるような情報共有や企業・サービスの紹介、セミナーや見学・職員様向けの勉強会などをでディスカウントさせていただく情報の配信も想定しております。
※どなたが加入しているかなどの参加者の情報は分からないようになっております!
こんな課題がある介護事業者の方に参考にしていただければと思います。
未来を決める、現在の数値とは?!
実は、もう運営しているデイサービスであれば現在の数値から未来の伸び代をある程度予測することができます。
今回の記事では支出・利益の面については触れません。
介護度によって来所頻度も異なる観点から、登録者を増やすという点において触れていきます。
登録者が増えれば、稼働率も上がり、登録者が増えるということはサービス自体が地域から評価されているというバロメータにもなるため、特に生活相談員や中間管理職の方がみるべき大切な指標になります。
まず、他の例を上げてみます。
・200ℓ入る浴槽に毎分4ℓずつお湯が入ります。
このケースでは一体何分で浴槽がいっぱいになるでしょうか?!
イージー問題ですね!
答えは50分です。
200ℓ(キャパ)÷4ℓ/分=50分
という数式になります。
この場合の未来を知る数字は浴槽のキャパと毎分入るお湯の量です。

続いて、
現在登録者が150名、日の来所者数は50名平均のデイサービスがあります。
2020年の月平均の新規利用者数が6名、月平均の休止者が3%です。
この数値を元にこのデイサービスの登録者の伸び代を算出してください。
ヒント1
新規の入会者・利用者は人数で増えていきます。
退会者・休止者はパーセンテージで減っていきます。
この新規の入りと、休止の流出が0になる均衡点を求めればそれが答えとなります。
いかがでしょうか?
この休止の方はパーセンテージで減っていくという点は非常に重要です。これは毎月々同じ人数で新規の方が契約されても、いつかは均衡点に近づくためプラトーになるということです。
ヒント2
現在の登録者の数は関係ありません。
新規の方の人数と休止の方のパーセンテージだけから求めることができます。
答え
200名です!
計算は6名÷3%=200名です。
最初の例から、お湯が出ていく計算も加わったケースですね。
来年に向けての計算
今回の記事を執筆しているのは2020年末です。
来年の目標を立てる上で是非参考にしてみてください。
現在のレセプト枚数を把握していない管理者の方はいないと思います。
現在のレセプト枚数(登録者数)と2020年の月々の新規利用者数・休止の割合から、登録者の伸び代を予測し、
現在のレセプト枚数に対して、上記の計算が下回るようであれば、現在の登録者は下がり、結果的に稼働率も下がっていきます。
つまり、現在と実力を見合わせることに意味があります。大切なことは結果はコントロールできません。
コントロールできるのは行動だけです。
このコントロールできる行動を決める要因として、結果と実力の解離を数値でみて具体的な行動に繋げます。
いかがでしょうか?
行動をやみくもに頑張るといっても、ゴールや中継点のないマラソンをしているのと同じことになってしまいます。

浪漫だけでは続かない
今回の記事でお伝えしたいのは、事業を継続し続けるには浪漫だけではなく、算盤力が伴っていることが大切ということです。
どうしても浪漫で始まりがちな業界ではありますが、値付けをするのは国です。
安定が継続しにくい業界のため、少なくとも数字の裏付けを持っていなければ浪漫だけでは限界があるでしょう。
こういった考えを念頭にサービスの見直しをすることをオススメします。
また、今回は未来を読み解く現在の数値について触れてきましたが、この読み解いた数値(結果)をどのように行動に繋げるのか?
については別の機会にお伝えさせていただきます。