今回は切り口を変えて栄養アセスメント加算について触れていきます。
運動・口腔・栄養の3加算(要支援の方は複数実施加算の対象)の中で、今回の改定から一番強化されたと感じているのは栄養にまつわる加算です。
なぜかというと、栄養改善加算は150単位/月→200単位/月、プラスαで栄養アセスメント加算がスタートします。
相対的に運動に関係する個別機能訓練加算がマイナス、要支援の運動器機能向上加算は据え置きで、口腔機能向上加算Ⅰは据え置きで、Ⅱは+10単位という上げ幅で、
比較すると栄養関係の加算の上げ幅が大きいのが今回のポイントです。
その中でも栄養アセスメント加算は個人的にも注目しておりますのでお伝えしていきます。
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栄養アセスメント加算と栄養改善加算ってどうに違うの?
最初にお伝えしておくと、栄養・口腔スクリーニング加算は今回触れません。
元々は栄養改善加算という加算がありましたが、全国のデイサービスで算定している割合は0.4%ほどだったようです。
かなり少ない・・・
これは自分のデイサービスで管理栄養士を3名配置して取り組んでみてわかったのですが、
- 対象となる方が少ない
- 対象となる方がピックアップできても改善に向かうには様々な背景が影響する
まず、対象となる方が少ないという点については栄養改善加算=低栄養状態の方に限られる点です。
細かな情報は省きますが、一つ挙げると18.5未満のBMIの方が対象です。
そのうえでその方の栄養状態が改善に向かうようにスクリーニング・モニタリングとしていきます。
自分たちで実際にこの栄養改善加算の取得に動いてみて、この低栄養状態の方に対して働きかけたとしても、その方の生活環境であったり、ご本人・ご家族・ケアマネージャーに必要性を感じていただけなければ算定にはなりません。
デイサービスや在宅で栄養改善加算の取得率が低い=管理栄養士の働き先が少ないわけであって、その根本にあるのは
- 施設系サービスに比べて、在宅サービスでは低栄養状態の方が多いわけではない
- デイサービスにきただけで管理栄養士ができることが限られている
であるからして、拡がらなかったと感じています。
そんな中で今回登場した栄養アセスメント加算は算定の敷居が下がりました。
低栄養状態のリスクがある方、及び栄養状態の課題がある方が対象です。
また、その方の課題を把握して、本人・家族・ケアマネージャーに共有する。
という改善に向けての支援は上記したように、生活環境にも依存する中で、課題を共有するという範囲も敷居が下がった一つと感じています。
この栄養アセスメント加算がきっかけとなり、ケアマネージャーの栄養管理についての理解が高まり、これまでよりも栄養改善加算に繋がる方が増えること期待しています。
その上で、在宅サービスの中でも管理栄養士の職域が拡がることを期待しています。

運動・栄養・口腔を一体的に算定している事業所は良い事業所?!
厚労省の意向とすると、運動・口腔・栄養を一体的に算定することを推進していることがよくわかります。
確かに自分でも筋トレばかりしても食事管理をしないと身体が変わっていかないのと同じく、低栄養状態の方が機能訓練だけしても食事をしっかりしないと変わりません。(個人的には食事の方が影響が大きいと考えています・・・)
また、これらの加算を一体的に算定していると要支援の方であれば複数実施加算というプラスαの算定も可能となります。
私の地域では、この3つの加算を算定できる体制を取っている事業所はケアマネージャーの集中減算の対象からも外されます。
つまり、内部のケアマネージャーが内部のデイサービスを中心に利用を促していても、そのデイサービスがこの3加算を算定していれば良いということです。
これは居宅も含めて規模が大きな地域のグループ法人にとってはメリットが大きいです。
という内部の事情は抜きにしても、機能訓練特化型のデイサービスだけではなく、口腔・栄養を一体的に算定できる規模でデイサービスを運営するデイサービスの方が圧倒的に有利な展開になります。(当然ではありますが・・・)
今回の記事ではこれまで算定するのに敷居が高かった栄養改善加算、栄養アセスメント加算について触れさせていただきました。
算定要件・対象利用者の情報などは検索すればいくらでも出てきますので、私のブログでは触れません。
栄養アセスメント加算の可能性・運動、口腔と比較してどんな位置付けなのか?そこをお伝えした上で
この加算を算定した上でどんな方向を目指していくことが求められているか?
機能訓練指導員として働きながら生産性を上げていくには運動器機能向上加算や個別機能訓練加算の理解はもちろん必要ですが、周辺の加算にも目を向け、デイサービスには今後何が求められるか?
そんなことも念頭においていただくと、あなたの価値が上がることでしょう。