今更にはなりますが、今回の記事では個々の加算を主語に説明するよりも、機能訓練指導員目線で各加算の理解や、準備についてお伝えしていきます。
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要介護の方の準備
大きく、個別機能訓練加算に変更がありました。
これまでの個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱが個別機能訓練加算Ⅰイとロに集約(イについてはこれまでの個別機能訓練加算Ⅱと同じく56単位)
これまでの個別機能訓練加算Ⅱを算定していたデイサービスは今回の個別機能訓練加算Ⅰのイを算定するイメージになります。
これまでⅠとⅡの両方を算定していたデイサービスが算定することが出来るのが個別機能訓練加算Ⅰのロになります。
Ⅰのロは85単位、これまでの個別機能訓練加算ⅠとⅡを合わせると102単位であり、
Ⅰのロになったことで単位数としては17単位減ります。
実施としては個別機能訓練加算Ⅰのイもロも同じで、直接機能訓練指導員が関わることに変わりありません。
イとロの違いはプラスαでサービス提供時間中に専従の機能訓練指導員が配置できていれば算定できます。
つまり、
Ⅰのイ,ロはそれぞれ計画の立て方としては変わらず、これまでのⅡの部分にスポットを当てた計画になります。
遡っておさらいすると
個別機能訓練の目的
個別機能訓練は利用者が可能な限り住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けるために、利用者ごとに心身の状態や居宅の環境を踏まえた計画を作成し、利用者の生活機能の維持・向上に向けて計画的に個別機能訓練を実施しなければなりません。
個別機能訓練計画を作るまでの準備・情報収集
要点とすると
・利用者の現在行っていること、今後行いたいこと、ニーズを把握するために興味関心チェックシートを活用すること
・利用者のデイだけでなく、居宅での生活状況を把握するために生活機能チェックシート(私たちでは居宅訪問チェックシート)を活用
・その他に機能訓練する上で必要な留意事項が足りない場合はケアマネージャーに依頼
・そのうえでケアプランに記載されているも支援方針や、課題、目標から個別機能訓練計画を作成していきます。
計画書の作成
・多職種共同で助言を受けつつ作成すること。
・ケアプラン・通所介護計画との整合性、今回から通所介護計画の中に個別機能訓練計画を盛り込む場合はその記載をすれば個別機能訓練計画の作成に代えることができることになりました。

目標
上記、情報収集を元に利用者の意欲向上につながるよう、長期・短期と段階的に設定することが必要となります。
・長期目標
心身機能・活動・参加をバランスよく組み合わせて作成すること。
この辺りはICFの目的や概念について調べてもらうと理解しやすいと思います。
解釈通知の例だと
スーパーに食材を買い物に行く場合
・短期目標
長期目標を達成するために必要な行為を細分化して整理する必要があります。
・買いたい物のリストを作る
・スーパーまで歩いていく
・買った品物を持って、家まで帰る
など
短期目標は居宅訪問を含む評価をして3か月に一回見直す
長期目標は半年に一回見直す
ですので、3か月ごとに計画書を作成する流れは変わりません。
実施
目標達成に向けて困難なこと対して、どんな訓練を実施すれば可能になるかを検討します。
複数の項目を準備して、選択していきます。(今回は自宅においての自主訓練についても示唆されていますね)
関わった機能訓練指導員は時間と合わせて名前を記録する必要があり、
実施は共通の目標・実施内容の5名以下の小集団または個別で機能訓練指導員が関わることと、これまでの個別機能訓練加算Ⅱの実施と同じです。
また、今回の個別機能訓練加算Ⅰのイもロもここまでは同じで、
ロについてはこれまでの個別機能訓練加算Ⅰで常勤専従として配置していた機能訓練指導員がロのプラスαの配置としてサービス提供が終了した後に記録を残すイメージです。(ギリギリの人員で実施している事業所ですと、ロを取るつもりでも日によっては配置ができなくてもイになってしまうケースもあるかもしれませんので、日々の締め作業時が妥当かと思います。)
※これまで個別機能訓練加算のⅠと記録していた内容や、レクリエーションなど個別訓練計画に記載のないプログラムの参加については新たな個別機能訓練加算Ⅰの計画にない場合は関わった機能訓練指導員の名前の記載などは必要ありません。
新しい個別機能訓練加算Ⅱについて
新しい個別機能訓練加算Ⅰのイとロに上乗せして算定する加算です。
計画・評価・実施内容→LIFEを通して厚労省に提出して、そのフィードバックを活用することが必須となります。
月に一人20単位/月です。
詳細はこちらから
要支援の方のおさらい
今のところ介護予防・日常成果支援総合事業の算定構造に大きな変更点はありませんが、
保険者単位で独自サービスが順次決まってくると要介護の方よりも複雑になるでしょう・・・
代表的な運動器機能向上加算については今回変わりませんが、
解釈通知から
目的が個別機能訓練とは違う!
できる限り要介護状態にならず、自立した日常生活を送れるように支援すること。
今のところ居宅訪問や興味関心チェックなどはなく、
利用開始時に看護師・訓練士と医療従事者によるリスク・体力測定を実施し、ニーズ・運動器の機能の状況を利用開始時に把握する必要があります。
(要介護の人の体力測定をしなくて良いわけでなく、)
要支援の方の運動器機能向上加算算定の注意点は長期目標は3か月、短期目標は1カ月で達成可能な目標に設定する点です。
計画
また、実施内容や運動の種類、実施期間、実施頻度や時間を計画に記載すること
ここも個別機能訓練計画よりも求められていますね。
実施内容の実施期間はおおむね3カ月に一回見直し、計画書を作成しなおし同意を得ることが必要です。
その他
一カ月ごとに短期目標の達成度と客観的な運動器の機能の状況についてモニタリングをして、必要に応じて計画書を修正します。(計画書を毎月作り直すわけではない)
計画書は3カ月に一度作り直し、長期目標と実施内容・運動器の機能の状況について報告することが必要となります。
実施
計画に沿って記録を定期的に記録していれば、日々の記録で十分ということが現段階だと読み取れます。
個別にサービス提供することが必要があり、集団的な提供のみでは算定できません。
なお、加算の算定に当たっては、個別の提供を必須とするが、加えて集団的なサービス提供を行うことがダメというわけではないようです。
配置
プログラムの提供時間を通して機能訓練指導員の配置
個別Ⅰのロの配置と兼務でも構わないとQ&Aで出ておりました。
長くなりましたが、今回はこれで以上とさせていただきます!