前回は4月からの要介護の報酬点数と要件をご紹介させていただき、考察についても触れさせていただきました。
今回は1カ月弱遅れてやっと出てきた要支援→予防給付ついてお伝えしていきます。
要介護の方の報酬については、基本報酬は微増・新たな加算が複数増えて、入浴加算と個別機能訓練加算は上位区分を算定しない場合は減収になってしまいました。
要支援の方についても同じように基本報酬は良くて現状維持で、機能訓練に関わる加算は微減で、全体的にはややマイナスかな~と思っていました・・・
実際はどうだったのでしょうか?
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介護予防・日常生活支援総合事業は若干のプラス改定
結論からお伝えすると若干のプラス改定です。
というのも基本報酬が純粋にプラスされ、他の加算のベースはそのままに、プラスαで算定可能な加算が増えました。

予想とは逆に動きましたね。
ここについて安易に喜べないのは、保険者が単価をある程度自由に設定できる裁量がある点です。
国が示した基準に対してプラスになることはないと思われますが、実際のところは地域によって差が出るでしょう。たね。ここについて安易に喜べないのは、保険者が単価をある程度自由に設定できる裁量がある点です。国が示した基準に対してプラスになることはないと思われますが、実際のところは地域によって差が出るでしょう。
これまでも地域によっては支援1=4回までは回数単価で、4回目以降から包括点数、支援2=5~8回目までは回数、8回目以降は包括点数と、これまでの要支援の概念にあるように、月に何回来ても包括点数だという考え方はナンセンスだと思っていました。
むしろ滞在時間が半日or一日かによってもざっくりと点数を分けてくることや、デイサービスにて入浴をしている場合としていない場合の報酬に差をつけてくることも予想していましたが、今回はそうはならなかったようです。

デイサービスの介護予防・日常生活支援総合事業との向き合い方
これまでの歴史の中で要支援の扱い方ってかなり変わってきました。
当然基本報酬や加算も変わってきていますが、管轄が国→保険者になった点から、要介護1、2までを地域支援事業(保険者)に移行する案も出ているようです。
今回は地域のボランティアの担い手が不足している側面やコロナウイルスの蔓延から実施は見送られたようですが、遠くないタイミングで要介護1、2までは地域支援事業に移行することでしょう。
医療・福祉の中で、地域の中でデイサービスのポジションってどうになるのでしょうか?
リハビリ特化型?デイケアではだめなの?
もろもろありますが、デイケアは事業対象者を受け入れできないのです。
つまり、デイケアで受けられなくてもデイサービスで受けられるのは事業対象者です。
また、無理に在宅生活を続けることなく、介護3以上の方は施設系サービスで加算もつくことから、デイサービスのメインユーザーは介護3以上の方ではありません。
そんなこと言っても今は介護3以上の方もいるという声も聞こえてきそうですが、長い目で見て入所リスクが高い点もあります。
基本的には地域支援事業の一環として、要介護度2までの方の在宅生活を続けていただく支援、医療依存度が高い方や2号被保険者の方に選んでいただくことも今後の選択肢になるでしょう。
つまり、通所単価は下がり、アウトカムにもコミットした運営が求められ、レスパイト型のデイサービスは必要性も下がります。
逆に、規模を大きくし、通所単価が下がっても収支が合う仕組みを整え、アウトカムを出せるようにしていくこと。
地域地域でこのモデルが実施できるグループが生き残ることは間違いないでしょう。(デイサービスに限っては)
デイサービスの介護予防・日常生活支援総合事業の加算のポイント
今回の加算のポイントはどうやら要介護度と同じく、
栄養・口腔まわりの加算が複数増えたことと、科学的介護推進体制加算とデータのフィードバックと、この辺りは介護、支援の差はありません。
栄養についてはこれまでの栄養改善加算→栄養アセスメント加算と全く新しい加算が誕生します。
運動、口腔に比べて圧倒的に算定割合が低かった領域ですが、今回の加算がスタートすることは在宅にはより栄養管理が求められるというメッセージと受け取る必要がありそうです。
口腔機能向上加算はこれまでよりも大きな変化はなく、対象者の制限はありませんが、
栄養改善加算は原則的に低栄養状態の方が中心でした。
BMIが18.5未満って時点でそこまで数が多くないのが実態でした。
今回始まった栄養アセスメント加算は、改善に導く加算よりも前段階である現状のアセスメントの把握が主たる要件ですので、対象になる方は増えると想定しています。
変わらず複数実施加算や口腔・栄養スクリーニング加算と複合的にサービス提供が出来る事業所に対してプラスαがつく流れも増えています。
口腔機能向上加算はこれまでも看護師であっても算定可能だったため、そこまで増減がないと見込んでいますが、この栄養アセスメント加算については個人的にも注目しています。
月に50単位で管理栄養士に関わってもらう、食事面での啓蒙をしてもらうことができる付加価値は非常に高いはずです。
今回は2021年度デイサービスの介護予防・日常生活支援総合事業の考察についてお伝えさせていただきました。
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