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今回は介護現場(デイサービス)で転倒・事故対応について触れていきたいと思います。
職位が上がるにつれて、事故後の判断をする機会が増えるため私の考えにはなりますが今後の参考にしていただければ幸いです。
今回の記事は
・管理職になって間もない方
・利用者・ケアマネージャー・家族との窓口に立つ生活相談員の方
に向けてお伝えしていきます。
事故発生後の流れ
私の施設でも年に数回、施設内での転倒から骨折・情報伝達の不手際からケアをする上での見落としからクレームが発生します。
初期の対応を疎かにすることで本当はそこまで大きくならないはずが、致命的な状況になり、その後の信頼や賠償対応と追われるケースもあります。
まずは初期対応が大切です。
以下に二つのケースを挙げます。
- 浴室から脱衣室へ介助についている上での転倒
- 施設内での自立歩行状態での転倒
以上は過失の観点から考えると、1の方が過失は高く、2は自身の注意不足から招いた転倒になりますので、過失には差が出ます(細かい環境整備状況等は省いて)
ただ、ここでですよ!
ここで初期の報告をする際は、2の転倒であっても施設内で起きた転倒です。
施設内で起きた事故は割合は違えど全て施設の責任もあります。
起きたことに対して、注意不足ですみませんでした!
まず第一声はこれ!
その次に身体状況の報告から、受診の必要性があれば施設側がお連れすること。
そこから事故の発生状況をお伝えします。
この順序を踏まないで、
○○さんが自身で歩行している際に転がってしまったので、受診をオススメします。
みたいなこと言っちゃダメですよ!笑
なんでダメなのか・・・
相手は人間です。
まず転倒したことに驚いている家族に対して責任を逃れるような言い回しは絶対ダメです!

悪くないのに謝るの?!
施設内で起きたこと以外にこちらには非がないのに謝っちゃうと、後になってあのときにこうに言ったから、と考えるのはありがちですが、
仮に賠償になった際は事故発生時の状況を第三者も交え(私の会社では保険会社)、客観的に判断します。
当然、賠償内容に納得できず訴訟になるケースもあります。
しかし、過失の有無に謝罪したかどうかは関係ありません。
仮に責任逃れをするような発言は捉え方によってマイナスにしかなりません。
現場管理職・相談員の皆さんは
まず謝る!
これは意識していただくといいでしょう。
謝罪する際のポイント
利用者の家族やケアマネージャーは謝罪にきた職員の対応をよく見ています。
そのときに、ポイントとしては当事者の意識です!
これは、〇〇さんが転倒したことを自分のこととして受け止めているかどうか?!
この意識があるかないかは自身が家族・ケアマネージャーの立場であれば良くわかると思います。
言葉の端々に責任を逃れたいという意識が現れてしまいます。
是非注意してください。
その後に、今回起きてしまった事故の原因→今後施設としてどのように気をつけていくかの再発防止策の説明。
こんなシナリオを頭に描きながら初期対応に向かっていただくと私の経験上はスムーズに解決してきました。
契約時の説明
相談員の職員は利用者との契約の際に、重要事項説明書・契約書について説明すると思います。
ここでもポイントがあって、デイサービスは在宅生活を送っている方が利用するサービスです。
従って、デイサービスに来所していない時間の方が長いわけです。
特に独居の方が自宅で一人でいる時間に転倒してしまったらどうなりますか?!
大変ですよね・・・
なので、いかに転ばないようにするためにはデイサービスにきている際は職員のついている中で機能訓練をして機能をあげていくことが望ましいです。
しかし、ここからがポイントです。
リスクの説明をします。
大人が急にめまいで倒れそうになったら支えきれないこともあります。
しかし、在宅生活を続ける以上は施設側も利用者もリスクを取って歩く練習をしなければなりませんと。
そのため、これからのデイサービスでは
- レスパイトに特化。
- 絶対に転ばせないでもらいたいというケアの要望。
こういった方向性には向かわない方がいいと考えます。
なぜなら、施設側は基本報酬がドンドン下がってきているため、
- ただ預かるだけでは収支が合わない。
- 預かるだけのサービスで他の事業所と差別化が図りにくい。
- そのレベルの方は入所リスクも高い。
事故の対応以前にこういった背景からも少なからず自立支援を促すにはリスクもあるということを事前にお伝えできるサービス構築がデイサービスでは望ましいです。

まとめ
まず前提として、事故自体を0にすることはできません。
起きた事故をどのように対応することが望ましいかという点について触れさせていただきました。
重要な点を整理しますと、
- 施設側の非、過失の有無に関係なくまず謝ること!
- 謝りに行く際は、自分の家族が転んだ(自分ごととして捉える)つもりで言葉を選び対応すること!
- そもそも利用前段階で在宅生活を継続する・自立支援を促すためにリスクはあり得ることを説明すること!
以上を意識していただくだけでも、相手方の捉え方はだいぶ変わってくると思います。
高齢者の方は転倒しやすいため、なるべく転ばないように日々の機能訓練やサポートが必要になりますね。
転倒や事故についての考え方は施設運営の根本に関わります。
よろしければこちらもご覧ください。
本日は以上とさせていただきます。